ペーパーレスを推進と言われて何年経っただろう。
紙文書をなくそうという風潮は10年、20年、いや30年という長きに渡って言われている。なかなか進捗していないように見えるペーパーレスなのに、テレワークが流行りだしたことにより紙を電子化するという取り組みが増えてきた。
そのせいか2017年ごろから再び聞くことが増えてきている。パスコーは業務で顧客内のペーパーレスもしくはペーパーレス化の取り組みに関わることも多く、生々しい顧客企業内の取り組みをいくつか、記事に書いてみることにしました。
- 労働人口が減るため人は仕事をコンピュータやロボットに委ね、更に効率的に働かなければならない。
- 年金の仕組みも破綻済。所得を増やして備えるために生産性向上は当たり前に必要
- 生産性向上のメイン、テレワーク実現のためのペーパーレス
- 「では全社ペーパーレスしろ」とトップダウンで命令が下ったとしても、簡単には達成できない。
- ペーパーレスのメリット
- ペーパーレスのデメリット
- ペーパーレスを進める3つのポイント
- ペーパーレスが進まない場合の突破口
- リバウンドする紙文書に立ち向かう。必要な時には印刷!が最重要ポイント
労働人口が減るため人は仕事をコンピュータやロボットに委ね、更に効率的に働かなければならない。
今や聞かない日のないキーワード 働き方改革です。
働き方改革がなぜこんなに毎日のようにニュースで取り上げられているのかは次の通りです。 少子高齢化が急速に進んでいる日本においては15歳以上65歳未満の人口生産年齢人口が大幅に減少する。
そういう傾向がある、という生易しいものではなく日本の65歳以上の高齢者人口の割合は23.1%と最も高くなっており、世界で最も少子高齢化が進行している。 と内閣府のWEBサイトにも記載があるほど、少子高齢化による生産人工の現象は深刻な問題となっています。
今後も65歳以上の高齢者の割合はどんどん増えていき、15歳以上65歳未満の人口生産年齢人口割合はどんどん減っていく。
2015年の労働人口 :約6834万人
2060年の労働人口予測:約3847万人(43.7%減少)
少し大雑把な計算になるけれど、企業が今の売上・利益構造を43.7%の社員が減った状態で維持しようとすると、今の1.77倍働かなければいけなくなる。
労働時間にしてみると1日8時間働いている人は1.77倍の14.16時間働けば現状維持。1日12時間働いている人は1.77倍すると21.24時間働けば現状維持。
21時間労働、もうネタとしか聞こえない労働時間。3時間睡眠で効率よく、しかもモチベーション高く働ける人なんてこの世に存在するとは思えない。
おわかりの通り、今の状況から改善されなかった場合現状維持することは不可能というわけです。毎日14時間も働いてなんかいられません。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45809520X00C19A6MM8000/
こういった経緯があり、必ずしも人がやらなくてもいい仕事は人じゃない誰かにやってもらおうと考えるわけです。 だからAIやRPA・IoTなどが話題になっているところがあります。
人間がやらなくても機械が判断できて自動化できる単純作業やシンプルなルーチンワークはコンピュータやロボットにどんどんと任せていかないと社会が回らないのです。
もちろん、残った人がやらなければならない仕事についても今よりも効率よく対応していかないと延々と労働しなければならなくなります。
だから生産性向上と言われているのですね。しかもこれらができて現状維持でしかありません。
上記の通り、長時間労働で対応しても豊かになれないのだから、生産性の向上・AIやRPAの活用による自動化は誰もが自分の身近なこととして考えなければならないのです。
この社会背景から働き方改革というキーワードが生産性向上、AI・RPA活用などを含んだ魔法の言葉として毎日飛び交っているわけですね。
年金の仕組みも破綻済。所得を増やして備えるために生産性向上は当たり前に必要
コンピュータやロボットに任せるにしても人間が効率的に働くにしても、現状維持ではダメなのです。最近話題に上がることの多い、年金の仕組みがもはや事実上破綻しているからです。
年金は15歳以上65歳未満の人口生産年齢人口が、65歳以上に支給される原資を支える仕組みになっています。今の若い世代は(自分に返ってこない親世代の)年金を支払うために税金を負担していますが、高齢者が増えていくことにより年金の総支払額が増大していくため税金の負担は更に増えていリスクがあります。
もしかすると自分たちの世代には年金は1円ももらえないかもしれない。日本という国では15歳以上65歳未満の労働人口を確保・増大しつつ1人あたりの生産性の向上が最重要課題ということになる。
生産性向上、これも最近のキーワードですね。2019年4月に順次施行となった働き方改革法に対応すべくIT技術を使って業務改革を行う企業が増えている。https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2011/23webhonpen/html/b1_s2_1_1.html
生産性向上のメイン、テレワーク実現のためのペーパーレス
生産性向上と言われると必ず出てくるのが場所にとらわれない柔軟な働き方を示すテレワークです。
営業マンの極端な例ですが、朝9時にオフィスに出てこなくていいから客先へ直行し1件でも多くビジネスの機会を生み出してほしいというものです。
また、業務終了後もオフィスに戻ることなく日報・活動報告をして自宅に直帰できるようにすれば移動時間分が活動に充当できるだろうというものです。要するに直行直帰スタイル。
加えて、フリーアドレスオフィスや社内コミュニケーションを活性化させるskypeやslackに代表されるビジネスチャット、企業の意思決定を支援するAIやビッグデータ解析まで企業は現在よりも働きやすくて高い生産性を目指して新しい姿を目指しています。
ここで課題として必ず直面する重要な課題が発生します。それは、私達の仕事は紙文書ありきで構成され、回っているという事実です。
オフィス業務で作成する資料を筆頭に見積書・契約書、納品書・作業指示書・工程表・レシート・経費精算のための社内申請書など多くの紙文書が欠かせない重要要素として仕事が成立しているのです。
紙文書はキングファイルなどに綴じて保管しなければならないし調べたいことがあると原本が置いてある場所に行かなければならない。つまりオフィスに行って書庫やキャビネットを確認しなければならない。
仮に必要な書類を複合機でコピーして持ち歩いたとしたら今度は紛失による情報漏洩のリスクと向き合わなければならない。
紙文書は、コピーするなどして持ち歩くことはできるにしても毎日直行直帰しようと思うと想定できる全ての文書をコピーして持ち歩くことは難しいし、たくさんの紙文書から必要な書類をサッと取り出すことは不可能に近い。(なんと言っても重すぎる!)
社内の人間と、ある1つの文書についてやりとりをしようにもお互いがその文書を手にして会話するにも準備の時間を要してしまう。(非効率だ)
そうか、電子データにしておけば良いじゃないか。ここで紙文書の電子化、つまりペーパーレスが必要になる。ペーパーレスなら解決してくれる。としてペーパーレスプロジェクトが立ち上げられます。
「では全社ペーパーレスしろ」とトップダウンで命令が下ったとしても、簡単には達成できない。
オフィスの中にいる全ての従業員の机の上や引き出し、キャビネット、書庫にある文書を即座に全て電子データに変換することは不可能に近いと言っていい。
目の前の紙文書を電子化することだけをゴールにしてしまうとマンパワーで達成できるかもしれない。しかし一時的に机の上のフリースペースが広くなるだけで残念ながら生産性が上がることも目的が達成されることもないだろう。
紙文書を保管するのにキングファイルに綴じてキャビネットに仕舞うのと同様に、電子データにしたとしても、データの格納先が必要になる。いわゆるファイルサーバーやストレージと呼ばれる領域だ。
電子化したデータを、ファイルサーバーに作った共有フォルダーにコピーしておけば良いのかというとそうではない。
各個人が好きな階層のフォルダーに個々人のセンスでファイル名をつけたり、複合機によって自動的に命名されるアルファベットと数字の羅列の名称のファイルを格納しても他の人が活用することができない。
数日もすれば電子化した本人にも、どのファイルがどの案件のものなのか、探しているものがどこに格納されているのかわからなくなってしまう。こうなると紙文書を確認しにオフィスへ出社することになってしまうだろう。
社外から目的のファイルが発見できないと一歩目で挫折となってしまう。こうやってペーパーレスに挫折した企業の数は数え切れないほどにのぼる。それでは生産性は上がらない。
前述のように毎日14時間働いて現状維持ストーリーまっしぐら。そんな地獄の世の中になってしまわないためにも貴方(の所属先企業)にとって実現可能性の高いペーパーレスの取り組みを行ってほしいのです。
ペーパーレスにおいては、紙文書を単純に電子化するだけではなくて検索しやすいことはもちろんのこと作成された電子データが関係者間で相互に活用できる情報活用基盤の構築が必須なのです。
こういったことを考え、すでに働き方改革に取り組む企業でも、いまだに紙文書が多く使われています。契約書など丸印・角印をついた重要書類はもちろんのこと、注文書や商品カタログなどで使われる紙。非常に便利だし慣れているので現在の業務プロセスにおいては最適な形で運用されているとは思いますが印刷コストや保管場所、探す手間などを考慮した場合、改善が不要だとは言えないはずです。
それらの紙文書が抱える課題のソリューションとして、ペーパーレスが提唱されています。
では、ペーパーレスが出来たらどんなメリット・デメリットがあるのかを整理してみましょう。
ペーパーレスのメリット
コスト削減効果
電子データにすれば印刷せずにPCで扱うことができます。これによって、印刷枚数を減らすことができ、複合機の印刷費用・電気代を低減することが可能となります。紙文書のようにダンボールに入れて保管・廃棄する作業も不要になります。
例えば従業員1人が1日平均で20枚印刷するとして、大阪支社に100人いるとします。印刷ボリュームが半分になれば1日10枚?100人=1000枚のコストダウンです。
1枚が1円とすると1日に1000円コストダウンになります。1ヶ月は20日なので2万円。1年で24万円。全く印刷しなくなれば倍の48万円のコストダウンです。1枚2円としましたが、カラー印刷にすると20円ぐらいしますので10倍で計算すると年間480万円のコストカットになります。見過ごせない効果ですね。
省スペース効果
紙文書を保管するキャビネットや倉庫が不要になります。オフィスの中のキャビネットが半分になり、10平方メートルぐらい空きスペースが作れたとしましょう。10平方メートルは3坪相当です。大阪市内だと1坪の賃借料は1万円/月以上が相場なので3万円/月のコストダウンとなります。年間にすると36万円が捻出できます。
その他にも書庫だったり倉庫を借りているケースがあるでしょうから電子化出来た場合の効果はもっと大きなものになります。もちろん、原本保管が必須の書類もありますからゼロにすることを目標にせず可能なものは電子化にしていく方針で進めましょう。
検索性の向上効果
ファイル名の付け方に社内ルールを作り、浸透させることができればファイルサーバーやストレージのフォルダー内を特定のキーワードを検索することで素早く見つけ出すことができるようになります。
すでに誰かが過去に作った資料を見つけることができれば流用するなど利活用ができるので1から作る必要がなくなります。まさに効率的な業務となり、生産性が上がります。
共有、配布性の向上効果
共有フォルダーに入っている電子データですから、文書を複数の人で閲覧・編集できます。格納先のフォルダーパス(\\??)を教えることができれば共有するのも非常に簡単です。
保存性
用紙代をはじめプリンターのランニングコスト、電気料金を抑制できます。また、書類の保管・廃棄などのコストも削減できます。
資源の節約効果
木材・パルプなどの資源の消費を抑制する意味でも、ペーパーレスは重要です。また、CO2排出量の削減にも役立ちます。
ペーパーレスのデメリット
正しくメリットを出すためにはデメリットも把握しておこう。事前にデメリットを知っておくことで、対策を考えておくことが出来る。
データを格納したり操作する端末の用意や情報漏えい対策のコストがかかる
ペーパーレスの阻害要因として、機器のコストがかかることが挙げられます。皆が使うファイルサーバーやストレージはもちろんのこと、データを快適に閲覧・編集するためにPCやiPadなどのタブレットなどを用意しますがこれらは利用する想定の従業員数程度の用意が必要となります。
モバイルPCとiPadを営業マンに持たせようと考えると機器だけで20万円は下らないでしょう。
30名の営業マンがいれば20?30で600万円のコストがかかります。(先程の印刷コスト低減分を一気に使ってしまいました)
社外からのテレワークで使うわけですから、PCやタブレットのセキュリティ対策は十分に施しておかねばなりません。ウイルス対策ソフトはもちろんのこと、ハードディスク暗号化の仕組みやMDM(Mobile Device Management)と言われるような仕組みも必要です。
Windows Updateなどのセキュリティパッチも適用の管理が必要になります。こうやって見ていくと、導入時にはコストの低減効果よりも投資する金額のほうが高くなります。
ペーパーレス=コスト低減だと理解していると逆効果に見えてしまうのでプロジェクト開始時からコスト低減だけではないことを経営陣にも理解しておいてもらう必要があります。
本質的には効率的に仕事が進められたり、直行直帰で移動時間削減により活動時間を捻出して新たなビジネスチャンスの創出・生産性向上ですよね、というところがブレてしまわないように理解しておくことが重要です。(そうでなければ毎日14時間労働をする日がやってくることでしょう)
ITリテラシーが低い従業員が環境を使いこなせないリスクから否定的な行動をとる
ペーパーレス化の活動により、日常業務の多くの紙文書が電子化することが出来たとしても従業員のITリテラシーが低いと使いこなせない可能性があります。
そういうリスクを察知した社員は電子化に反対するというリスクがあります。若手よりもベテラン、どちらかというと幹部社員の年齢に近くなるに連れてITリテラシーが低い、つまりついていけない人の割合が増える傾向があります。
これは大きな金額の稟議にOKを出してくれにくくなる可能性も示唆しています。
電子化される紙文書の割合が多くなると、どの業務をするにしても慣れた紙ではなくPCやタブレットが必要になります。
慣れた業務手順が変わることに否定的なスタンスの声の大きな社員がいる場合などもペーパーレス化の阻害要因となります。デバイスやソフトウェアの使い方を共有していくことも、コストと考える必要があるでしょう。
システム冗長化など安定稼働の仕組みにコストがかかる
直接的なデメリットではないけれどシステム障害が起きることを考えたくはないですが、障害が起きてしまうと電子化したデータが見れなくなってしまいます。
状況によってはデータを失ってしまうこともあるかもしれません。バックアップや、システム停止時の手動運用の取り決めなども検討しておく必要があります。
この点においては、昨今はクラウドストレージの仕組みが成熟してきていますのでデータを格納するだけの用途でたりるならばクラウドストレージを活用することも選択肢の1つとして十分検討に値します。
ペーパーレスを進める3つのポイント
メリット・デメリットを知り、どのように推進・対応するか方向性を決めたら実際に紙文書の電子化を進めていきましょう。
電子化作業を請け負う外注業者に任せることを検討する
キングファイルに綴じられた紙文書や、倉庫の中の書類を1つずつ複合機でスキャンし、取り決めたファイルの命名規則などに基づいて電子化し、フォルダーに格納するには膨大な時間と人件費がかかります。
過去の数年、数十年の資料を一気に電子化する作業は従業員の手を使わずに外注業者に依頼してしまうことも検討しましょう。
意外にも、このコストを勿体無いと考えて社内でどうにかしようと検討を重ねている内にペーパーレスプロジェクトが頓挫もしくは自然消滅しているケースが圧倒的に多いのです。
電子化が完了し、テレワークなどで受けられる恩恵を思えば当初の電子化外注コストに阻害されてペーパーレスが進まないのは非常にもったいないと言えます。(この際、不要な紙文書は捨てちゃいましょう)
ペーパーレス会議システムの導入を検討する
紙文書が電子化されたならば、オフィスの会議室のように1つの場所に集まらなくてもメールでファイルを送ったり誰かがファイルを開いて見せるなどの形で打ち合わせが可能になります。
いわゆるペーパーレス会議システムの導入が可能になります。誰か1人のWordやExcel、もしくはデスクトップの画面などを会議に参加している全員に見せることができます。
これなら社外に居て、手元に紙の書類がなくてもペーパーレス会議システムに入るだけで書類を見ながら打ち合わせをすることができます。
もちろん、社外にいる人が顧客との打ち合わせで得た重要な情報を社内に報告する目的で会議を行うことも可能です。
全部門、全業務を対象にせず一部分からペーパーレス化を始める
全ての業務の全ての紙文書を一気に電子化するペーパーレスには無理があると言っても過言ではありません。先行してペーパーレスに取り組むパイロット部門を作り、まずは1部門から取り組みを開始しましょう。
テレワークをゴールにしているならば恩恵を受けやすい営業部門が良いでしょう。10名~20名の1つの部からで良いのです。
得られた結果と、達成したい姿の差(ギャップ)を確認しどのようにギャップを埋めるのか検討すれば良いです。
ペーパーレスが進まない場合の突破口
ペーパーレス化のプロジェクトが思うように進まない場合、かなりの確率で、次の状況が起きています。「経営陣はペーパーレス化しろと口を出すが、現場では必要ないと言われプロジェクトメンバーが孤立する」
これはもう定番中の定番。
これからペーパーレス化のプロジェクトをスタートする方には最初から次のことをWBSに盛り込んでいただきたい。経営陣の業務をペーパーレス化するペーパーレスがどれぐらい業務プロセスの改善に寄与するのか、経営陣と一緒に体験し試行錯誤することは非常に重要です。
とはいえ、デジタルネイティブ世代ではない経営陣に、ある日突然小型のモバイルPCとタブレットを支給してすべての業務をそのデバイスで完結しろと言うのはあまりにも酷ですし実現可能性が低いと言わざるを得ません。
そこでペーパーレス会議システムです。役員会をペーパーレス会議システムで運営してもらうことにしましょう。最初は操作方法がわからないと思いますのでプロジェクトメンバーで丁寧にサポートしましょう。
まずは経営陣に気分良く使ってもらわないと話は始まりません。5回、10回とペーパーレス会議システムでの役員会が実施される頃には少し慣れてきて、参加を要請される部長陣にも電子データでの報告を求め始めるでしょう。
そうして現場だけでなく、上位層からもデジタルデータでの業務が広がっていくと非常に力強い活動となります。
リバウンドする紙文書に立ち向かう。必要な時には印刷!が最重要ポイント
ペーパーレスプロジェクトメンバーの活躍により、机の上や引き出しの中の資料キャビネット、書庫などに格納された様々な紙文書が電子化され必要のない原本は廃棄されていくでしょう。
電子化したり文書を破棄することにより、キャビネットが不要になって破棄するなどの目に見える効果がでるでしょう。
こうなると、会議室がいつも埋まっていて場所に困っていた企業はファミレスのような席を作って打ち合わせスペースとしたり、会議室を新たに設けることができたりします。
そして気持ちよく仕事をしていてふと気づくと紙文書が驚くほどに蓄積されていることを発見してしまう時期がやってきます。早ければ半年、遅くても1年以内には恐ろしいほどの紙文書のリバウンドを目の当たりにします。
これは、業務プロセス自体の見直しおよび社員の意識改革が足りていないために発生する現象です。別に問題はありません。多くの企業でこの問題にぶつかることになります。
一度は削減した紙文書ですが、新規作成した文書を商談に使うと後日の打ち合わせで使うかもしれないからと考えて手元に残しておいたり、次の案件の参考資料として必要だからとクリアファイルに残しておいたりします。
そうやって以前と同じ業務プロセスと意識で仕事を進めているとあっという間に紙文書が山のように積み上がってしまいます。
せっかく紙文書を大幅に減らしたのですから、新規作成する 文書についてもルール(文書管理規程)を作成もしくは見直しをしてリバウンドしないような活動と定期的な文書を捨てる活動を根付かせましょう。
半年に1度程度、1週間ほどの期間を設けて紙文書を捨てるキャンペーンなどが定番です。ポイポイ週間とか、捨て捨て運動などといった名称で活動されているケースが多いです。
普段捨てられない文書でも、本当に直近で使うことがあるのかを考えてみると明確に回答できるシーンは少ないものです。そういった場合には複合機でスキャンして電子化しておけば良いのです。全てを電子化して二度と印刷しないのではなく、必要な時がやってきたら、また印刷して紙文書で業務を執り行なえばいいのです。
ペーパーレスの活動をされる企業においては一度電子化したものは次からは電子データのまま使わなければならないという意識が圧倒的に強いのですが紙文書には電子にはない良さや利便性があり、そこを捨ててしまうと業務が非効率になってしまいます。(生産的でない。)
必要になったら印刷することは正義として、使わないときには電子化する活動として是非ペーパーレスを成功させてください。
当たり前に思うかもしれませんが、必要になったら再度印刷して使うというところがペーパーレスの1番のポイントです。
眼の前の印刷枚数を5枚~10枚減らすことよりも必要に慣れば5枚~10枚印刷してでも効率的に業務をして生産量を上げるほうが圧倒的に価値があります。
この点を配慮いただき、ペーパーレスプロジェクトの成功に向けて取り組んでいただければ幸いです。
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では、また次の記事で!