世界一のバイク市場、インドでは安全基準であるISIを満たさないヘルメットは販売してはいけないことになっています。
が、現実はISIを満たさないヘルメットが圧倒的に流通していることが大きな問題になっています。
一体どういうことなのか、世界屈指のヘルメットメーカーであるスチールバード社のグループ会社社長にnews18.comがインタビューすることに成功した。
偽のISIヘルメットを作るギャングがはびこる
インドはサイバードの交通警察は偽物のISIマークが付いたヘルメットを作っているギャングを逮捕したというニュースが流れました。
インド政府は、ISIマークが付いたヘルメットの販売を義務付けて以来、安全基準が上がるかと思われましたが実際は、偽物のヘルメットを製造するギャングがどんどんはびこってしまう事態を生み出してしまいました。
インド国内のヘルメット規格認証を審査するBSIや、規格ISI(アイエスアイ)のこと、インド国内の事情については過去の記事で詳しく書いています。
世界一のバイク市場がどんな状況であるか、ご覧になってください。
インタビューによるとインドのヘルメット事情としては、多くの小さな工場で偽物のISI認証ヘルメットを製造しており、多くの人は偽物のISIマークヘルメットを購入し、バイクに乗っているようです。
そうして偽物のISIヘルメットの割合が急速に拡大しており、インド国家として対策を講じなければ、何百万人もの命が影響を受けると危惧される状況になってしまいました。(インド国内のバイク事故による死者は世界一。)
年間100,000,000個のヘルメット需要があるインド
インドにおけるヘルメットの需要は、世界一の市場であることから非常に多く、なんと1年間で1億個近くであると言われています。
数字にすると凄さがわかります。100,000,000個。
日本人のほぼ全員が1年に1回、バイク用ヘルメットを購入する数量に匹敵します。
政府がヘルメットを義務づけていることから、きっちりとルールが守られるようになっていけば最終的にはヘルメットの需要はさらに増加すると見られています。
ちなみにスチールバードは毎日約22,000個のヘルメットを製造(年間803万個)しており、更に製造を強化しているそうです。
目標として2021年には毎日50,000個の生産(年間1825万個)を目指しているそうです。
1825万個というと、東京都と大阪府の全人口が1年に1回、ヘルメットを買い替える数に近いです。これは凄まじい数量ですね。
恐るべしスチールバード。
医療用のスマートヘルメットのほうが安全そうに見える
インド市場におけるヘルメットメーカーにとって、いくつかの課題があります。
そのうちのいくつかは、輸入ヘルメットの基本関税が18%と高く、海外から安くて安全性の高いものが入ってきにくい状況にあることです。
結果、国内で偽ISIモデルが流通してしまい、安全性能が低いことからバイク事故の死者数が世界一になってしまっています。
単純にルールを厳しくするのではなく、現実的にインド国内のライダーが高いコストを払わずに安全面の強化ができるようになることが目標となっています。
インドは人口が14億人近くおり、日本の10倍の人数となり市場の大きさこそ世界一になっていますが、安全面ではまだまだ発展途上です。
コストパフォーマンスの高いモデルが高い関税をかけられることなく流通し、怪我をする人が減っていくようになってほしいものです。
医療用にはスマートヘルメットのような優れたものが出始めているので、バイク用もレベルアップしていくことを祈ります。
あわせてよみたい
最後までお読みいただきありがとうございました。
では、また次の記事で。