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育児まっただ中のSE(システムエンジニア)であるパスコーが経験するIT・子育ての現実を生々しくお届けするブログ

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これからはクラウドファースト!ただしコストは絶対下げろの顛末

ITと言えばクラウド、どこもかしこもクラウドファーストな時代になってきましたね。

 

オンプレもクラウドもただの選択肢です。

どんな目的を達成するために、そのITを選ぶのかを考えようねと導くITストラテジストが私の仕事です。


仕事上、超がつくエンタープライズ企業から起業されて10名未満で頑張っておられるような中小企業(以下SMB)まで関わらせていただくことがあります。

今回はその中でもSMBにおけるクラウドお話です。

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SMBもクラウドファーストな世の中になってきた

ここ2年ぐらいでしょうか。

100名未満ぐらいの企業層でシステムの入れ替えイコール、クラウドを検討という要望をいただくことが増えてきました。

 ンプレで動いている環境をクラウド化したいという要望が最重要要件として提示れることさえあります。

具体的な言葉が出るものとして、AWSやAzure、GCP、もしくはSaaS版のERPへのリプレースを検討したいという要求になります。

 

現行のオンプレ環境のシステムをヒアリングするところから始まって、同等もしくは追加業務要件を満たすシステムを検討して提案を進めていきます。


が、結果、再びオンプレでリプレースになるケースが意外に多いのです。

あれ?クラウド化が最大の要件じゃなかったの?と言いたくなりますがそこはぐっとこらえて提供するんですけれど。

 

実は、オンプレで最新バージョンでシステム導入することになるのはまだマシな方で、既にハードウェア保守が切れた状態なのに再リースになるケースも少なからずあります・・・。

私が社内SE(情報システム部門)だったら、とても恐ろしくてそんなリスク抱えられない!と率直に思うので止めるのですがなんとか来年まで耐えます!!とか言われちゃうんですよね。

もうそれだけで逃げだしたくなっちゃいますがお客さんの要望であれば最後は折れるしかありません。

来年もう一度提案しますね、として一旦撤退となります。

っと、クラウドの話ですね。

 

クラウド化したシステムの見積を見て経営者は必ずこう言う

クラウドの見積書を見て経営者は必ずこう言います。

 

高い。クラウドになったらハードは要らないし安くなるんじゃないのか?

 

来ましたね、ゴールデンパターンです。 

クラウド化においては、ハードウェアの運用管理やOSやミドルウェア~ソフトウェアのメンテナンス、冗長化にバックアップなどを外部に委託する形になります。

 それらの費用をシステム利用料という形で社外へ支払う金額は増えますよと散々伝えてきましたが私達の伝え方が甘かったのかも知れません。
期待値コントロールの失敗ですね。

 


何度かこういう経験をしてきました。
最近になって、この問に対しての答えとなる情報(とある方の経験談)を聞くことができました。その情報とは、こういうものでした。

 

 経営者 

「今、サーバーの管理やメンテナンスにコストはかかっていない。」

 


!!!!!!!!!

 


この考えには驚きました。
予想できていなかった。


オンプレミス(企業内にサーバーを設置する方式)のシステムではサーバーにアプリケーションがインストールされていてPCやスマホタブレットがサーバーが通信することでシステムが稼働しています。

サーバーの中で稼働するデータベースには企業活動のための超重要なデータが蓄積されています。 

 

仕入先・得意先・仕入原価・売価・過去の取引実績・締め支払い・顧客の担当者・営業活動履歴・製造の進捗・在庫・設計書・とかとかですよ。

なくなったらやばいですよね。

 

サーバーは日々ITエンジニアの人件費をかけて稼働しています。

サーバーの中に格納されているデータは重要なもの。

だからもちろん日々バックアップをしなければいけないし 

→結果を確認しなきゃね。


動きが遅いと業務に影響があるし

→チューニングしなきゃね。


ハードウェアが壊れたら修理しなきゃいけないし 

→ベンダーに修理手配しなきゃね。


アプリケーションに不具合が発生したら直さなければいけない

→ベンダーと協力して直さなきゃね。


こういった業務を社内の誰かが行っているからシステムは稼働しているのです。

多大なる人件費が投入されています。
このコストがまさか0円だと認識されているとは思いませんでした。


だからクラウドにすると高い。クラウドになったらハードは要らないし安くなるんゃないのか?とい

発言が出てくるようです。

 
このままでは厳しい。
クラウド化を推進するという方針を出している企業が上記の認識のままクラウド想定で見積をとって、満足のいく価格でシステム切り替えをするのはかなり難しそうです。
トップ・役員・もしくはそれに次ぐレベルの方が次のことを当たり前だと認識し

前へ進んでほしいとITサービスを提供する立場として願います。
クラウドに丸投げしようとしたら、想像を遥かに上回る金額の見積が出てくる。


何のために、どのシステムのどの部分をクラウド化して、どうなりたいかのビジョンを明確に持たないと最上級の選択肢になる。(いわゆる松の見積)


POC(Proof of concept:概念検証)と、製品の評価は別のステップだ。

クラウド化することとコスト削減はイコールではないのです。


内部のITエンジニアや主担当には専門書を購入したりハンズオンを業務として受けてもらい、そのスキルを生かしてもらい成果がでたなら

高く評価するべきだ。


社内の主担当や業務担当がクラウドサービスの評価版を利用し実現可能性を検討する。

 

ヒューレット・パッカード社(現HPE)は、この手の壁を早くに体験・認識していたのでしょうか、2017年にはもう大勢の前で言っていました。

 
今はもうリターン トゥ オンプレが始まっています。

(Return to On-premise;自社運用型への回帰)

 
まじですか、と強く思ったので今も頭に残っています。

 
一言で言うと、何でもかんでもクラウド化してみた結果、業務が回らなくなってオンプレ型に戻すケースが増えていますということでした。
ちゃんと考えずにクラウド化すると、コストはもちろん増えるし、システムの応答速度もオンプレ型より落ちる(場合が多い)し、通信量が増えるからネットワーク機器の処理が間に合わないことがあるし、インターネット接続が切れると仕事が止まるし、クラウドサービスも稼働率は100%じゃない(年間で1日2日は止まるかも知れない)ので別の場所にバックアップがあったほうが良いかも知れないのです。

 

こういったことも検討して、良い形でクラウドサービスを活用してください。

 人件費がコストに計算されていないような中で、社内SEが少数で対応しているような企業、つまり中小企業の層は特に上手にクラウドサービスの活用はしたほうが良いと考えます。

 
社内SEたちが「ここはブラックや、脱出しよう。脱社畜だ!」と言い出す前に是非ともまじめに

クラウドサービスの導入検討を進めましょう。

わからなければ「理解が追いついていないので少し丁寧に教えてほしい」とIT部門もしくはベンダーに声をかけてみましょう。

 

くれぐれもコストダウンを主目的としてクラウドサービスを選んではいけないですよ。

 

どうしてもという場合にはfreeeさんのようなものもあるのでまずは無料登録して試してみるというのも手ではあります。

無料だから、まずは登録してみて、検証してみるというのはありです。

 

 

では。