ニュースやSNSなどで自己肯定感という言葉を目に耳にすることが増えた。
自己肯定感が高いからどうだ、とか自己肯定感が低いから~、といった具合に書かれているけれど、自己肯定感ってなんだろう。
肯定感だから、高いのが良いのだろうか。
それとも低いのが良いのだろうか。
まずは文字通りに自己肯定感を分解してみる
まずは言葉の意味を文字通り理解することを目指してみよう。
自己肯定感、を分解すると「自己 + 肯定 + "感"」だから
自己:自分自身のことを
肯定:受け入れて前向きに評価できる
感 :感覚、気持ち
自分自身のことを受け入れて前向きに評価できる気持ちという風に考えることができた。
これが正しいのであれば、自分自身のことを前向きに考えられる方が良いように思えるので自己肯定感は高い方が精神的にも安定していそうだと考える。
正しい自己肯定感の定義を確認
まずはそのまま分解してみたけれど、そもそもの理解を間違えてしまうと誤った理解になるので自己肯定感がどういったものかを確認してみたところ次のような説明に出会えた。
- 自己価値に関する感覚であり、自分が自分についてどう考え、どう感じているかによって決まる感覚
- 自分に対して、自分の軸で評価した結果
- 社会の中の自分の存在やあり方を前向きに評価できる自分の感情
更には、自己肯定感と並んで自己効力感・自己有用感・自己有能感という3つの "感" があり、自己肯定感を合わせて4つひっくるめて自己肯定感として扱うこともあるようだ。
ただし、自己効力感・自己有用感・自己有能感は自分ではない他の人や世間社会との関わりを通した評価となっている。
対して自己肯定感は自分自身のありのままの姿を大切にしたいという気持ちを表している。
その他、文献もいくつか読んでみたところ、自己肯定感という言葉で言い表されていることのエッセンスは次の3点で理解して良いと思う。
- 理想像や目標とする姿ではなくありのままの自分を認める気持ち
- 自分自身の価値観・評価軸による評価結果である
- 評価対象は自分自身
自己肯定感という言葉を知らない時の私なら「自分に自信が持てるか」という言葉が近しい意味になるのではないかと思う。
自分に自信が持てる=自己肯定感が高い
自分に自信が持てない=自己肯定感が低い
そんな "感覚" だ。
自己肯定感の高低を問う質問
自分にはよいところがあると思いますか?
どうでしょうか。
はい、それともいいえ?
他にも次のような質問をする場合もあり、これらの質問によって自己肯定感を推し量ることができるのだそうです。
・自分のことが好きですか?
・私は価値がある人間だと思う?
・私にはよいところがある?
この質問は自己肯定感を推し量るために全国の小学生・中学生が受ける調査の中の質問にあるそうです。
「はい」が多い傾向だと自己肯定感高め、
「いいえ」が多い傾向だと自己肯定感は低めとなる。
自己肯定感が高いと良い、低いと悪いとは言われていないものの東京都の調査結果から自己肯定感が低いと次のような傾向があることがわかっている。
- やる気が起きない
- 友だちとうまくいかない
- 自分で判断できない
- 授業が理解できない
- 欠席・遅刻が多い
内容を見ると大人も子供も関係なく辛い言葉が並んでいます・・。
この自己肯定感は、幼児期に親や兄弟、身近な人との関わりの中で受けた愛情・信頼によって形成されると言われています。
誰かから必要とされたり、誰かに信じてもらえる、ありのままの自分を認めてもらうという経験によって先の質問にあるような内容に「はい」で回答できるようになっていくんだそうです。
質問をもう一度見てみよう。
「はい」で答えられるだろうか。
・自分にはよいところがあると思いますか?
・自分のことが好きですか?
・私は価値がある人間だと思う
・私にはよいところがある
「はい」と言える質問や、「はい」にしたい質問、「はい」とは言えない質問があったりすると思います。
また、質問に対する「はい」「いいえ」は一生ずっと同じじゃないように思いませんか?
ある時は「いいえ」だったけれど別の時には「はい」に変化することもあるように思う。
もちろん逆もあると思う、というか事実としてある。
自己肯定感って、" 感 " なんだよね。
最初に、文字分解した時にも考えることができたけれど、「感=感覚、気持ち」だから、変化する。
自分の感覚のことだから、大人になってからでも育んでいくことができるのではないかと考えることができます。
自己肯定感が低くても、高めることができるはず。
自己肯定感は仲間と共に高められるスキル
先の、自分にはよいところがあると思いますか?という質問に対して「はい」と答えられる時と、「いいえ」と答える時があると考えられた。
何に成功して気持ちが乗っている時、目標達成して自分に自信のある時はきっと「はい」だしうまくいかなくてどん底の時や「いいえ」になるだろう。
回答の結果を導く過程における、自分自身の状態を受け入れられているかどうかがまさに自己肯定感なのだということが導き出せてきた。
つまり、自己肯定感というのは次のようなことをできるようになれば高めることができる。
1.ありのままの自分を認め、受け入れられている
2.良い自分も悪い自分も大切にする
3.例え理想に届かなくても自分を信じることができる
4.目標を達成するなど、成功体験を得た時
自己肯定感は自分自身の軸による自己の評価結果だから他の誰かではなく自分をどう思うか、自分に自信を持てるかというところに帰結する。
コツコツと目標達成に向けて成果・成功を積み上げていき達成することで自信がつき、自己肯定感は高められる。
だけど、上の1~4の内、特に1と2は他人との関わりによって形成されるようにも感じられる。
自分はありのままの自分を認め、受け入れたいけれど他人の評価を気にしてしまう。
ありのままの君で良いんだよと誰かに言ってもらいたい気持ちを持ってしまう。
自己肯定感は自分自信の軸による自己評価のことなんだけれど、
他の人との関わり合いも自己肯定感を得るための重要要素なのだろう。
だとすれば、互いを認め、勇気づけ、ありのままで良いんだよと言い合える仲間と時間を共有することが最大の解決策となる。
仲間との会話により自己を認め、受け入れられる気持ちが育まれ、自己肯定感が高められるように
なると考えられる。
コツコツと努力するお互いを支え合い、小さな成功を称え合い、理想の姿に共感し合おう。
そんなことができる仲間がいれば自己肯定感は自ずと高くなる。
この仲間はきっと、会社の中ではなく、そして家族とも違う、第3の場所にいるんじゃないかな。
日々の生活における利害関係のないところに所属している人こそありのままの自分を素直にさらけ出し、支え合えるのだと思う。
アフター5の習い事や社外活動で得る仲間が良いんじゃないかな。
同じ1日を過ごすなら、自分のことを認め、大切にしながら楽しく過ごしていきたい。
コンプレックスが解消されることと自己肯定感が高まることはリンクしているように理解できた。
では!