資料を作るのにはどのソフトが良いか?という話題は昔から尽きることがありません。
少なくともここ15年ほどは常に話題にあがります。
一般企業だとMicrosoft Office系が主体でしょうか。
Word(ワード)、Excel(エクセル)、PowerPoint(パワーポイント)のどれかで作成することが多いのが実態。
今はGoogleのGsuiteも導入が進んできたのでGoogle Docs(Word相当)、Sheets(Excel相当)、Slides(PowerPoint相当)で資料を作成されている方も少なくないですよね。
役所や文教系では、これらに加えてジャストシステムの一太郎が入ってきます。
一体どのソフトで資料を作るのが最良なのでしょうか。
- 私はMicrosoft Office Excel派
- 作った資料は広く見てもらえるようにする
- 作った資料が活用されない悲劇
- 作成するソフトでも内容の綿密さでもなく、ユーザーはやりたいことが出来ればそれでいい
- 資料は提供される側にとって、何のためのものなのかか最重要
- まとめ
私はMicrosoft Office Excel派
提案書などのプレゼン資料は素直にPowerPointを使いますがその他はどんな種類の資料でもExcelで作成します。私の属するSEの世界は特に、Excelで作る慣習があります。
普段作っているのはこういったものです。
- 打合せ資料
- 議事録
- スケジュール表(ガントチャート)
- 要件定義書
- 設計書
- パラメータシート
- 操作マニュアル
- 報告書
などなど、何でもExceで作れてしまいます。
社内で資料を探すときも拡張子はxlsかxlsxで欲しい文書の名前とともに検索すれば見つかるような状態です。
例えば、設計書*.xlsx と検索すると、ありとあらゆる設計書がザクザクと検索結果に並びます。
その中から流用できるものを探して作ったり、更に改良してバージョンアップさせたりしています。
もしかしたらプログラミングでの開発業務よりも、総じてSE職としてはExcel術の方が求められるかもしれないと言っても過言ではないぐらいです。とにかくSEにとってExcelはなくてはならない最強のツールの1つです。
だから、議事録や報告書などの本来Wordが得意とする資料もトコトンExcelを工夫してExcelで仕上げてしまいます。
どうやったらExcelで作れるか調べるし、わからなければExcelの便利な使い方の書籍も手にしちゃう。それぐらいExcelと共に過ごしているSEは多いのです。
ユーチューバー式のExcel本が出るぐらいです。しかもユーザー評価が高い。
時々、社外の申請書などの書類でWordが出てくるとゲゲッ!と思ってしまうほどにExcelばっかりなのが実態です。
(Wordにすれば楽に作れるものも多いのですが・・・)
作った資料は広く見てもらえるようにする
最初は面倒に思っていた資料も、(Excelで)作り込んでいく内に愛着が湧いてきます。
1シート目に美しい表紙を作り、文字フォントやサイズを調整し、インデントを揃え、表記を揃え、語尾を揃え、ハイパーリンクを貼り、オートシェイプを駆使して赤◯でクリックしてほしい部分に印を付けていきます。
そして、何度も自分で資料通りに進めてゴールにたどり着けることの検証をします。Excelなら何でもできる。
もちろん、見た目ばかり頑張っていてはいけないぞと己に言い聞かせつつ、細部に至るまで検討し、きっとユーザーも満足がいくだろうと思う資料を仕上げていきます。
そうやって作り上げた資料は、そもそも、誰かに使ってもらうために作っているので完成したデータを相手に提供します。
思い入れのある資料がリリースされた。
自分の手を離れて世界に旅立っていった!
とても満足します。Excelも大活躍。
しかし、このあと残念なことに問題が発生します。
イントラサイト(Sharepointやグループウェア、チャットツール)
作った資料が活用されない悲劇
手間暇をかけて作成した資料が利用されないという事件が勃発します。
あんなに時間をかけて作り込んだ資料なのに何故か利用されない。
一体なぜなんだろうか・・・・依頼者さえ、あまり見ていないように感じ、
落ち込んでしまうことがあります。
疑心暗鬼になってしまう。
もしや、ExcelではなくてWordの方が良かっただろうか。PowerPointの方が敷居が低かったのだろうか。それとも、iphoneなどのスマホやタブレットでも見やすいPDF形式のほうが良かったか。
答えが分かれば変換は大した作業じゃない。
ユーザーにインタビューしてみようか、それとももう少し様子を見るか。と考えることが往々にして発生してしまいます。
一生懸命に資料を作った作成者は落胆してしまいます。
実は、依頼者もまた落胆してしまっていたりします。
(お願いしたのは、こういう資料じゃなかったのにナァ。)
(どう見ても力作だから言えないナァ。。)
作成するソフトでも内容の綿密さでもなく、ユーザーはやりたいことが出来ればそれでいい
ExcelかWordか、という形式の問題は作成者にとってはその後のメンテナンス性なども含めると重要な要素です。しかし、利用者にとってはどっちでもいいことが多いのです。
好例として、ソフトウェアの注意書き(Readme.txt)がPDFやWordなどのビジュアルにすぐれた形式ではなく超シンプルなメモ帳形式で用意されています。
このReadme.txtには、過去のアップデート履歴や注意事項、困った時のQ&AのURL、問い合わせ先などが記載されています。
普段は別に見ないし、見たくなったら開いて該当部分だけ読めばわかるからまぁいっか。
↑ ここが重要
別段、メモ帳形式に不満を感じることはありませんし、ちょっと手がかかっても、その時にざっと目を通して確認すれば満たされる。その後は当面見ることはないので問題ないのです。
というように、利用者が求めているのは、やりたいことを達成するために、問題なく閲覧できる資料であり必要事項さえ記載されていれば及第点であることが多いのです。
えっ?ユーザーにインタービューをすると見栄えや形式の指摘を受けることが少なくないぞ!という声が聞こえてきそうですが、それはユーザーが言いやすいから言っているだけであることが多いのです。
資料は提供される側にとって、何のためのものなのかか最重要
例をあげてみます。
出張で新幹線とタクシーに乗った時の出張費精算の手順書。
普段の交通費精算なら、電車の乗車駅と降車駅を入れれば後は自動で金額が出てくるのでそれを選べば終了です。
しかし、出張の精算は日々行わない。
いつもの交通費と同じで良いんだっけ?新幹線はどうしたらいいのかな?宿泊費は?日当は移動日につけられるのかな?という疑問が発生します。
出張によく行っている人に聞いてもいいんだけれど社外に出ていていないし、忙しい中、時間を取らせるのも申し訳なく思います。
分からないからといって適当に入力して承認申請を上げて却下されるのも嫌だし上司にも迷惑をかけてしまう。
やってみる前に聞きに行くのも失礼だし・・
こんな場合にこそ手順書の活躍シーンです。
ユーザーは、普段あまりしない出張の経費精算を正しく行いたい。
新幹線や宿泊したホテルの領収書の取り扱いや移動日の日当をどのように申請すればよいのかがわかって精算作業がしたいのです。
多少見栄えが良くなくてもその通りに操作をすれば間違いなく完了できる手順書があればまずは良いのです。
確実に作業ができさえすれば、スマホではできなくてもPCを開いて、WordでもExcelでも良いので手順書を確認し、そのとおりに作業をしてクリアできればひとまずOK。
美しい見栄えやわかり易さは二の次。三の次。
まずはやりたいことが正しく行える手順書であればよいのです。
先の例にあるような、美しい目次やフォント、インデント、気の利いたハイパーリンクは勿論ありがたいのだけれど本質的にやりたいことがやれるかどうか。
資料にそれが記載されているかどうかが最重要です。
せっかく作成したのに利活用されない資料にはきっと最重要項目に抜け、漏れ、品質不足が起きている。一生懸命作成した資料だからこそ、皆に利用されて役立ってくれるよう、最重要部分を確認しよう。
ぜひ問いかけてほしい。
その資料、誰が何を達成するための資料なんだっけ?
まとめ
資料の形式も使いやすさの要素の中に入っているのは確かですが見栄えがしない資料だったとしても相手は文句を言いながら目的を達成すれば満足をします。
(とても見栄えの良い資料を見てもきっと何か一言は言ってくるものです)
一番大切なのは「XXXXXの資料作成」の依頼を受けた際に何が最も重要で、何を達成するための資料であるかを事前に意識合わせすること、これに尽きます。
この最重要部分を明確に押さえずに手間暇をかけて作成した資料は残念なことになります。
こだわったフォントやインデント、ファイル形式やハイパーリンク。
それ、作成者のために作られていませんか?
本当にユーザーが目的を達成するためになっていますか?
ということなんです。
なんのために作成するのか、そのゴールは何なのかを依頼者と一緒にホワイトボードに手書きでイメージを書いて共有しておくと認識のズレがなくて良いでしょうね。
せっかく時間と手間をかけて作成する資料だから利活用されて誰かの役に立てるものにしましょう。同じ時間をかけて作るなら、その資料が皆の役に立って
皆が楽になれるのが良いな。
私は最重要項目を達成したら見栄えは
デザインセンスのある人に頼って任せちゃうようにしています。
(私も楽したいから。)
ではまた次の記事で。